生きる力を与えたい

挑戦する自分を見せたい

名選手は、名監督にあらず。

 優秀なサラリーマンが陥る失敗があります。定年退職で○○○○万円の退職金を貰ったとします。当然一流のサラリーマンです。「退職したらそば屋をやりたい。」彼の長年の夢です。美味しいそばを出せば必ず儲かると確信してました。

ここで考えてください。一流サラリーマンと言えども、大企業の歯車の一つでしか有りません。有名企業の役職を務めた人でも、PowerPointを使えません。全て部下が作成していたからです。個人になれば、Office365を使え無いのは、問題です。

退職後を見据えて「そば打ち」の修行をしました。多分、何十年働くそば職人の人には遠く及びません。だったらプロの職人を雇えば良いと考えます。店をマネージメントする力が必要です。店を開けたら客が来ると思うのは錯覚です。

すべからく競争です。生き残るのが如何に大変か。店舗を借りるにも保証金が必要です。内装工事やキッチンの設備など多額の費用が掛かります。店の宣伝も入ります。店員の募集にも費用が掛かります。

当座の運転資金も用意します。軌道に乗るまでは、赤字です。月の経費を100万円としたら三ヶ月で300万円必要になります。資金調達も必要でしょう。銀行に融資の依頼をします。必ず返済計画書の提出を求められます。

返済が滞った時の為に担保を要求されるでしょう。自宅を担保に差し出すことになります。事業が失敗したら住む家も無くなります。定年後ですから、失敗を取り戻す時間はありません。夫婦喧嘩が絶えなくなり、最後は離婚の話しになります。

妻は、老後の資金まで食い潰されてはたまらない。年金は、離婚で妻の権利は保障されます。当てにした年金も半分なくなります。世の中に絶対は存在しません。プレイヤーとして一流でも監督(経営者)に成れるとは限らないのです。

個人事業主の成功者数は、数パーセントです。ほとんどは、失敗に終わります。そばが好きなら全国のそば店巡りをすれば夫婦円満で人生を終わることが出来ます。商売を舐めてはいけない。